この活動は、現場での経験や出会いから始まりました。個人としてできることを模索しながら、少しずつ支援の輪を広げています。
長岡保健所が汎用機器の貸出事業を開始
ALS(筋萎縮性側索硬化症)患者の負担や、介護する人の負担軽減を目的とし、2022年度に「ICT利活用による難病患者の療養空間快適化事業」が始まりました。
病状の進行が緩やかな方や初期の方に、タブレット端末・ボタンスイッチ・スマートスピーカー・スマートリモコン等を一定期間貸し出し、活用していただいた結果、本人そして家族ともに生活の質が向上しました。
新潟県地域おこし協力隊が着任
新潟県長岡保健所が長岡・柏崎地域で実施していたこの活動を、県内全域に広め、ゆくゆくは全国的なモデルとして展開するために新潟県地域おこし協力隊として、丸山雄也(難病ICTサポーターズの運営者)が着任しました。
今ある機器(スマホ・タブレット等)の活用支援、そして、新たな機器の導入支援(スマートホーム機器等)を新潟県内全域の難病患者等に無料で支援を行いました。
『難病ICTサポーターズ』の設立へ
新潟県地域おこし協力隊の活動中、スマートホーム機器が日常生活に与える大きな可能性を目の当たりにしました。
こうした機器は、日常のちょっとした困難を解消するだけでなく、身体的な負担を軽減し、離れて暮らす家族とのつながりを深める力を持っています。
また、支援の効果は大きく、スマートスピーカーの製造販売を行うAmazon社からも注目されるまでに成長しました。
しかし、同時に次のような課題も見えてきました:
- 機器に対する「難しそう」「使いこなせるか不安」といった心理的ハードルがある。
- 既存の制度やサポートでは、難病特有のニーズに十分に対応できない部分がある。
- 病気の進行に伴い、将来的に専門機器が必要になるが、早期に機器に慣れる機会が不足している。
これらの課題に取り組むため、新潟県地域おこし協力隊としてさまざまな取り組みを進めてきましたが、協力隊の任期には期限があります。これまで築いてきた支援の輪を途切れさせず、さらに発展させるためには、より持続可能な仕組みが必要だと考えました。
そこで、任期終了後も活動を継続し、支援を行えるよう「難病ICTサポーターズ」を立ち上げることを決意しました。
この活動が目指す未来
難病ICTサポーターズでは、難病や障がいをお持ちの方が自分らしく生活できるよう、市販のICT / IoT機器の活用を支援し、一人ひとりのニーズに寄り添いながら生活の質の向上を目指しています。
特に音声操作や自動化技術を活用した住環境整備は、身体的負担の軽減や自立支援に大きく貢献できる可能性があります。これからの共生社会の実現に向けて、スマートホームの力を福祉の現場に取り入れる挑戦を、本気で取り組んでいます。
今後、住宅コンサルタント、福祉住環境コーディネーターなどの専門家と連携を深めながら、難病や障がいをお持ちの方の在宅生活を、より快適かつ安全にする取り組みを進めていきたいと考えています。
こうしたビジョンに共感し、連携・協業にご興味のある企業・団体の方は、ぜひ以下のフォームからお問い合わせください。
難病や障がいのある方とそのご家族に対して、現在の身体状況や困りごとに合わせて、スマートホーム機器をはじめとした市販のICT / IoT機器の紹介や、スマートフォンなどの今ある機器の活用方法をお伝えする、全国どこからでも受けられる『無料オンライン相談支援』を実施しています。
市販のICT / IoT機器の活用によって生活を改善した事例をテーマにした講演・セミナーを開催しています。
「難病を知ってもらう」「社会との接点をつくる」ことを目的とした啓発活動に取り組んでいます。